気楽に生きたい。

鳥頭のmemo

河村隆という男 / ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学vs四天宝寺

河村隆、通称タカさんのことを考えていた。

 

幼い私は、タカさんのことを考えたことはなかった。でも、改めて見ると、彼はすごい。
テニスの王子様には数多くのキャラクターがいて、個性的だ。
それぞれの魅力によって、この作品は成り立っている。


その中の一人、青春学園中等部テニス部所属が河村隆だ。


タカさんは、というよりテニスの王子様に出てくるキャラクターはみんな中学生だ。
けれど、タカさんは誰よりも「今」を生きてて、「未来」は見てない。
それは未来に余力を残したって意味がないことがわかっていて、「今」勝ちたいからだ。
中学生にして、そこまで未来を考えられるだろうか。
彼は実家のすし屋を継ぐことを自分で決めており、修行もしている。
自分の同い年の頃を振り返っても、思考こそ発達していたかもしれないが、年相応の未熟さとアンバランスさは否定できなかった。
ましてや、将来のことなんて考えられなかった。例え家業があったとして、当たり前のように継ぐことを考えられるだろうか*1
そのために修行までできるだろうか。考えたところでやはりできず、彼の凄さに只々驚くばかりである。

 

タカさんは、中学までしかテニスをやらないつもりだ。
だからこそ、未来に余力を残さない少し危険のある試合もする。
今、勝ちたい。自分が、ではなく「チーム」として勝ちたい。
テニスの圧倒的才能がなくても、センスがなくても、みんなになかったパワーならある。
仲間が認めてくれたパワーがあるから、必要とされたのならそこで勝ちたい。
先輩に否定されても、仲間が認めてくれたからやってこれた。
だから、パワー対決なら引き受ける。
圧倒的才能に囲まれた中で生き残った、唯一の才能。それは努力だろう。

 

不器用かもしれない、秀でて上手くはないかもしれない、けれど努力は出来る。
パワーだけで勝てる世界ではない。

 

でも、全国大会レベルの学校にいて、3年間退部もせずに才能を目の当たりにしてもなおとどまり続けられた『才能』はすごい。
多くの同級生や、先輩、後輩が消えていったのだろう。
当たり前だ。同年代に眩しすぎる光があれば、直視することは敵わない。
手塚国光という、化け物みたいな男を目の前にして同じ種目をやり続けられるだろうか。
不二周助のように天才ではなく、ダブルスに才を見出すわけでもなく。
彼らは、スターだ。眩しいほどの、才能。
でも、人はその近くにいられない。自分の凡人さを痛感するからだ。
そこをうまく線引きできるのなら、同じ部活に留まることはできるだろうが。


いずれにせよ、3年間青春学園中等部テニス部として、所属したことがすごい。
努力を、いとも容易く天才は打ち砕いただろう。
けれど腐ることなく、真っ直ぐに、貫いてきたものがある。
だから彼らは河村隆を仲間として、共に戦っているのだ。
確かにテニスのセンスはないかもしれない。けれど、最後まで闘ってきた。

 

四天宝寺中学校の石田銀は、自分に波動球は通じないと宣言した。
それでも、自分にできるのはこれだからと真っ向勝負を選んだ。
確かに通じないかもしれない。パワー差もあるかもしれない。
時に愚かに見えるだろう。でも、タカさんはそういう人なのだ。
譲れないものがあるとき、人は強くなれる。
人には、背負ったものがあるときに強くなれるタイプと、そうでないタイプがいる。
青春学園の凄いところは、みんな強くなれるところだ。
あの手塚国光でさえ、チームとしての勝利に執着している。
どこのチームも、そりゃあチームとしての勝利を目指しているけど、個々の力も強い。
青学も個々に強いかもしれないけど、劣る部分もある。
だからこそ、「チーム」でカバーするのだ。そして、それが大きいチームだ。
誰かのために頑張ることのできる人は、強い。


何より、タカさんは相手への尊敬を忘れない。
石田銀は、そんなタカさんを見て心を揺さぶられる。
綺麗な、センスのぶつかり合う試合ではないかもしれない。
泥くさくて、危険で、見ていられない試合かもしれない。
でも、だからこそ、人の心をうつ。
例え誰かが嗤っても、誰かの心には残る試合ができる。それがタカさんだ。

 

タカさんって、亜久津みたいなタイプとか、ヤンキーとかに好かれがちだよな~って思って感想書いてたら長くなった。
タカさんってね、素朴なんだよね。みんなに平等だし。
誰よりも優しいし、いい人。だから、桃ちゃんも海堂も慕ってる。
分け隔てがない人だから、亜久津もずっと気にかけてくれたんだよね。
対戦相手にも、びっくりするくらい真っ直ぐだから、真っ向勝負を受けざるえないんだよね。
それは、人をちゃんと尊重していないと難しいと思う。


四天宝寺戦、始まりましたね!いや~四天宝寺、元気が出る!
たっくさん笑って元気が出たもんね!笑ったのにタカさんに泣かされたよ。
チームとしての話でいけば、不二も熱くなる試合なので四天宝寺戦はいいですね。
もうテニスの王子様たちよりもずーっと大人になっちゃったのに、彼らを見ると幼い自分に出会う。
彼らが先輩だった頃の私だ。
だから、ずっと彼らは私のことを魅了しているのかもしれない。憧れのままだから。


テニスの王子様、奇抜さに目を奪われがちだけど、みんな一生懸命なんだよね。
それから、私が一番うれしかったのは何より『楽しい』って思いが勝ったこと。
人生も楽しく生きていたいもんな。ありがとう!(無理やり終わる)

 

www.tennimu.com

 

まあ今さら私が言うまでもない有名な作品ですけど!(笑)

東京公演始まったばかりで、大阪、岐阜、宮城、東京凱旋あるのでぜひ!疲れてる人は見よう!笑って元気になるよ!

*1:そもそも今ですらやりたいこと見つからないで困ってる